■インタビュー


「操心術3」開発スタッフインタビュー
〜エロゲーに心を操られた憐れな男たちの挽歌〜




操.1 まずは「操心術」シリーズ開発の経緯を教えてください。

ざくそん:
元々はStudio Insaneさんに、知人を通して萌えゲーの動画のお仕事をいただいたことがきっかけです。
当時私はすでに催眠・MC専門のサイトを運営していまして、ついでにそれをご覧になった担当さんが、
これで凌辱系の作品を作らないかと声をかけてくださって。
はじめは私のサイトに投稿されている作品をゲーム化する案などもありましたが、
(エロ)ゲームというのは特に小説とは異なり、わりと特化している文章でないといけないんです。
候補に残った作品などもありましたが、やはりオリジナルで行こうということになり、原案と企画書を書いた次第です。
ライターのおくとぱすさんとは、当時からサイトを通して既知でして、何度もオフ会などで交流していました。
これはもう彼にお願いするよりほかないな、と。


おくとぱす:
自分は、幼い頃から催眠術もの、MCものが大好きで、そういう小説を書いておりました。
運良くゲームデビューすることができた後も、何とかして一番好きなこのジャンルのものを作りたいなと思っていたところ、
すでに同じ趣味仲間として交流のあったざくそんさんからお話をうかがいまして、一も二もなく引き受けさせていただいた、という経緯になります。


操.2 第1弾「操心術」は現在「操心術plus」として再発売されていますが作品コンセプトを教えてください。

おくとぱす:
まずは、人の精神を好き放題に操るという危険な行為をしっかり描くことですね。
ただ発情させてHに持ちこむというだけでは、自分にとっては物足りなかったので、
通常のやり方ではできない、MCならではという特殊なシチュエーションのプレイをたっぷり取り入れることを重視しました。



ざくそん:
内容に関しては、おくとぱすさんのおっしゃるとおり、とにかく普通ではあり得ないプレイを描こうと。
どうやってMCファンの望むエロゲーを実現するか、ということばっかり考えてましたね。
それからシステムについてなんですが、私は元々よろずゲーム屋ではあるんですが、
いわゆるエロゲーは操心術が初めてだったので流行を知らなかったんです。

で、当時はもうエロゲーにゲーム性というものは少なくなってきていたんですが、“ゲーム”と考えて「薬システム」を導入したりして。
そして主人公にはライバルを設定し、その対決を軸にゲームを進めていこうと。
ちなみにどうせ敵役を設定するなら、そして敵役は負けちゃうものなんだから、だったら女性にしとけ、ということで現在の形になってます。
以降の作品ではゲームシステムは減らす方向になりましたが、「ライバルとの対立軸」という形は残っており、
これは操心術シリーズの作品テーマにもなっています。





操.3 「操心術2」と「操心術」の違いについて教えてください。

ざくそん:
ブランドをスタジオ邪恋さんに移して心機一転。
廉価パッケージ作品の操心術に比べ、操心術2はフルパッケージものとして、
シナリオも絵も、全てのボリュームが約倍になっています。
舞台をいち家庭から街へと広げ、主人公もターゲットを堕とすというよりは、
どれほど変なことをさせられるか=貶めるか、という方向性で動くようにしました。
結果としてプレイやシチュエーションがとんがりすぎていて使えん!、
とのお叱りをたくさん受けてしまいましたが(笑)
突拍子もない誤認プレイ満載なので、逆にその手の属性をお持ちの方には、
ものすごく評価していただいてます。


おくとぱす:
攻略できるヒロインが増えたことはもちろんですが、主人公の設定が大きく違います。
操心術だと主人公は、美女ぞろいの一家の主に収まることが最終目標となります。
男の理想と言えば理想かもしれませんが(笑)。
操心術2の主人公はもう少し野望が大きく、
女性を支配するだけでなく街全体を支配しようと積極的に行動します。
なので、自分が楽しむだけでなく、
女性に変なことをさせておとしめるということが目的になっているプレイも沢山出てきます。




操.4 「電波の奴隷」は「操心術」シリーズとは趣が少しが違うようですが?

おくとぱす:
操心術2が出た後に、少々雰囲気を変えてみようと思ったのがあります。
丁度その頃、生意気な女をひたすら陵辱するのではなく、
魅力的な女性をじっくりと自分のものにするゲームがやりたいという声を
いくつか聞いたというのもあって、ではやってみようかと。
操心術3としなかったのは、そういった作品の空気の違いと、
操心術シリーズにつきものの、「MC能力を得る薬」と「対決」が出てこないからですね。


ざくそん:
電波の奴隷は、もとから操心術シリーズと関連性はありません。
確かに架空の街の名称として一部同じ地名が出てきたりはしますが、
基本的に人も世界も全く異なる別個の物語です。
特にキャラクター描写など、じっくりと読んでいただけるような作品にしようと心がけました。
その分、基本スキップで回想コンプというプレイスタイルだと、少々つらいかも。
そういう意味では、かなりとんがった作品です。
よそではできない、やらない、毛色の違った作品カラーがブランドのアイデンティティだと思っています。


操.5 「操心術3」について教えてください。

おくとぱす:
操心術、操心術2でいくつか残しておいた謎を、きちんと片づけておかなければという思いがありました。
今回はとうとう、前2作では判明しなかった部分が明らかになります。
Hシーンの内容、操りの内容はもちろん、このシリーズの特徴「対決」も、
これまでになく二転三転、すごいことになっておりますので、どうぞご期待ください。
それから、今作の特徴は、モブキャラの多さ!
通りすがりの女の子Aとか、クラスメートの女子Bとか、そういう一度きりの脇キャラですね。
原画家さんには大変苦労をかけてしまいましたが、
おかげさまでそれはもうすごいことになりました。
エンディングに流れるスタッフロールは必見です。


ざくそん:
一度、シリーズの区切りをつけねばということで組み上げた、満を持しての3です。
操心術と操心術2はほぼ同時期のお話ですが、操心術3はそれから何年も後の物語。
操心術の主人公とヒロインの息子・貴樹と、操心術2の主人公とヒロインの娘・沙織里。
そしてこれまでとは違った雰囲気のシリーズキャラ・麗。
この3人をめぐる物語に過去作のキャラクター達も入り交じり、学園を舞台に狂乱のストーリーが怒濤の勢いで展開します。
お話もMCも、可能な限りのいろいろなことを詰め込んで、ありったけの力を込めました。
今まで自分が手がけてきた作品のなかでも、もっとも思い入れの深い作品になったと思います。


操.6 BGMや主題歌も毎作印象に残りますね。

ざくそん:
音楽を担当していただいているトレモロさんにはシリーズ最初からずっとお世話になっています。
操心術ではメインテーマを決め、それに様々なアレンジを加えていくというBGMの作り方をしてもらいました。
あの特徴的な旋律はそうして生まれまれたわけです。
操心術2ではさらに全体をジャズ風にしてメインテーマを持ちまわしていく。
そして作品全体のキーワードのひとつを「ケミカル」とした今回、操心術3では、構成全体をテクノ風にまとめるというコンセプトでお願いしました。
どの曲も雰囲気たっぷりで、作品の世界観にとてもマッチした、繊細な仕上がりになっています。
特に今回のメインテーマは力作で、公式サイトの製品紹介、イベントCGページで聞けますのでぜひとも聞いてみてください。

片霧烈火さんは邪恋ブランドからずっとおつきあいいただいているわけですが、
初めての操心術2の時はこんなまっとうな曲をいただいていいのかしらん、とびっくりしたものです。
いつも必要以上にこちらから何かお願いするというようなことはなく、作品コンセプトをお伝えしたら後は全くおまかせなんですが、
毎度どまんなかをついた曲が仕上がってくるので感服してしまいます。
だからこの歌に耐える作りにしないといけないわけで、邪恋作品のエンディングはいつも特別の手をかけて作っています。
こんだけエンディングにこだわってるエロゲは他にあんまりないぞと(笑)。
操心術3のエンディングもすごい仕上がりになりました。
今までで一番凝った作りになっています。仕掛けも施してありますので、もうぜひ確かめていただきたいと思っています。





操.7 本作の開発にはTOPCATさんが大きく関わっているとお聞きしましたが?

ざくそん:
今回操心術3を制作するにあたり、原画やシナリオ以降の作業をどうやって組み上げるかを検討していたところ、
なんとあろうことか、かのハイクオリティ集団・TOPCATさんにご協力いただけるというお話を聞きまして。
その場で一も二もなくぜひにとお願いした次第です。
彩色からグラフィックからエンジンからSEから、ゲームに関する諸々を網羅していただいています。
区切りとなるこの操心術3でご協力いただけたのは、僥倖というか千人力というか感無量でした。
本当に深くお世話になっております。

というわけで、せっかくですのでTOPCATのみなさまにも一言ずついただきたいと思います。


犬神藤丸(TOPCAT):
彩色を担当させて頂きました犬神藤丸です。
操心術ならではの変わった作業は大変だったりしましたが、登場人物も可愛らしく楽しんで塗らせて頂きました。
お気に召して頂けたら幸いです。


犬山工房(TOPCAT):
彩色をさせて頂きました犬山です。
皆様に操心術の世界を楽しんで頂けたら幸いであります。


YAKAN(TOPCAT):
作業中ざくそんさんには(他の皆さんもですが…)大変お世話になりました。
この場を借りてお礼したいです〜。ありがとうございました。


吉浪慶汰(TOPCAT):
システムグラフィックなどを作りました。
こちらの分からない事を常に明瞭かつ的確に答えて下さったざくそんさんに感服し通しでした。
こんなに企画が出来る実力者はそういないと思います。
最後に、実装できなかった仕様達よ安らかに…。


SKY(TOPCAT):
システム関係を担当させて頂きましたSKYです。
色々と至らない部分も沢山あると思いますが、みなさんにゲームを楽しんで頂ければ幸いです。


山麻素斗(TOPCAT):
スクリプトを担当しました。エフェクト関係も少々。初回プレイはエフェクトを切らずに是非!


唯我転生(TOPCAT):
最後はいつも以上にぎりぎりの状態になりました(汗)
ユーザーの皆様に楽しんで頂ければ幸いです。


SYUN(TOPCAT):
後半でSE制作のお手伝いをさせて頂きました。頂いたリストに音楽用語等もあり、ざくそん様の拘りが垣間見えました。


立見いづく(助っ人):
彩色のお手伝いをさせて頂きました立見いづくです。
手が遅くてスタッフの皆さんにご迷惑をかけてしまってしょんぼり…
その分ユーザー様には楽しめると思いますのでよろしくおねがいします!



操.8 シリーズの集大成とのことですが前2作をプレイしないと楽しめないですか?

おくとぱす:
そんなことはありません。
前作のキャラクターがそのまま登場しますが、本作だけでも理解できるように作ってあります。
もっとも、前作をプレイしてくださった方には「ニヤリ」とできるような仕掛けをあちこちに施してありますので、そちらもどうぞお楽しみください。
逆に、今作をプレイしてから前2作をやってみるのも面白いかもしれませんよ。


ざくそん:
もちろん、操心術3単体で楽しんでいただけるように制作しておりますのでご心配なく。
でも、おくとぱすさんもおっしゃってるように、操心術、操心術2とあわせてプレイいただくと何倍にもニヤニヤできると思います。
あのキャラとか、このキャラとか、同じところや違いをいろいろと探してみるというのも楽しいかも。


操.9 「操心術3」は「電波の奴隷」と並行して制作していたと聞きましたが

おくとぱす:
「電波」の企画が操心術3ではないと決まった時に、では操心術3をこの次にやろうという風には話が進んでいました。
なので、「電波」のシナリオ作成中にも、今作の企画、ストーリー、Hの内容などを色々と練っていました。
毎晩のように打ち合わせで大変でした。


ざくそん:
電波の奴隷の収録で1日10時間以上スタジオに詰めた後、
ファミレスに移動してあーでもないこーでもない、とネタを仕込んでいた記憶があります。
企画自体は電波の奴隷の当初からあったので、実質平行してるんですね。
思えば足かけ2年以上になりますか。長かったですねぇ。


操.10 「操心術」シリーズは本作で終了ですか?

おくとぱす:
それはまだ何とも、こちらからは申し上げられません。
構想だけなら、○○とか、××とか、はたまた派生作品とか、それはもう沢山あります。
その中のどれが現実のものとなるのか、乞うご期待というところですね。
ヒントをひとつ出すとすれば、今作のラストシーンが鍵になるかと。


ざくそん:
ひとまず操心術1からのストーリーはいったん区切りとなります。
それがどういった結末になるかはラストシーンを見ていただくとして。
この先どうなるかはまさに神のみぞ知る、といったところでしょうか。
ただ一つこれだけは言えることは、今後もMC作品を手がけたいということ。
それは変わらないですね。


操.11 最後にファンのみなさまへ一言お願いします。

おくとぱす:
これまで沢山応援してくださいましてありがとうございます。
MCものは自分の一番好きなジャンルで、これからもさらに色々と書き続けてゆきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。




ざくそん:
いつも応援や励ましのお声をいただき、本当にありがとうございます。
MC属性持ちの手によるMC作品、そのMCワールドっぷりを、とくと味わってください。
少しでも皆様に楽しんでいただけたら幸いです。
ぜひぜひ、よろしくお願いいたします。




ありがとうございました。


ついにマスターアップ!!
12月12日、いよいよ操り開始!

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