第1回 ディレクター:ざくそん 皆様こんにちは。操心術シリーズのディレクター、ざくそんです。 今回はスタジオ邪恋様のご厚意により、HPの片隅をお借りして、ライナーノート的なよもやま話などを綴らせていただくこととなりました。 どうぞよろしくお願いいたします。 操心術外伝は、数あるシリーズ作品の時系列の中で、特に操心術1と操心術3の間の時代が舞台となっています。(ちなみに、操心術1と操心術2は同じ時代です) 今回のメインヒロイン綾河春生は、操心術1の時代、まだ幼さの残る妹キャラでアホの子でした。 かたや操心術3では、すっかり性格の破綻したマッドサイエンティストおばさん(本人註:お・ね・え・さ・ん!)として登場します。 あまりのキャラの変貌ぶりに、ほぼ別キャラじゃないかとのツッコミをいただくこともあります。 しかし、もともと成績はよい設定で、いわゆる「頭のよいアホの子」キャラだった春生であります。 性格は多少ねじ曲がりはしましたが、そのアホさっぷりはそれほど変わってはいないのです。 若い頃からその片鱗があったということですね。 このあたりはどの作品中でもあまり明確に語られてはいませんので、ここで解説しておきます。 なぜ春生の性格がこんなにもねじ曲がったかというと、やはり一番大きな要因は操心術1の主人公にあります。 優秀なOLだった姉に襲いかかったダメ人間主人公。 その毒牙にかかった可愛くて素直な我らが春生ちゃんは、あわれ淫乱暴走ハチャメチャキャラとして覚醒してしまったのでした。 そう、覚醒です。外的な要因で変えられたのではなく、元々持っていた素質が花開いた、というワケ。 遅かれ早かれ、こうなるのは既定路線だったんですね。 このあたり、詳細なキャラ造形については、次回おくとぱすさんが詳しく語ってくれると思いますので、ここでは譲りたいと思います。 さて、操心術外伝。 もともとは完結編である操心術∞の前に制作が開始していました。 企画動機については今ではおぼろげなんですが、たしかシリーズを終了するにあたって、一本横道にそれた作品を作りたいと思った記憶があります。 とりわけ本筋には影響せず、かといって関連がないわけでもなく、それでいて作品を支えられるシリーズキャラで一本。 そりゃあもう春生しかいませんね。 企画した時点で即メインヒロインは決定です。 前日譚も後日譚も持っているキャラですから、その間を描こう、と物語もわりあいすんなり決まりました。 ただ、ストーリーについては、外伝ですから多少冒険をしています。 操心術3を発表した当時、ヌキゲーにあるまじき濃ゆいストーリー性に賛否両方のお声をいただきまして、以降の作品では意識して薄くした経緯があります。 その方針は完結編である操心術∞についても同じで、本筋とエロゲー的部分をバッサリと分ける構成となっています。 そうこうするうちに、経年変化なのか思い出補正なのか、今度は逆に、操心術にストーリーを求めるユーザー様のお声をちょくちょくいただくようになりました。 よしそれならば、ということで。 外伝はひさびさに操心術3方式を取り入れた、入り組んだストーリー作品にしました。 なんたって外伝だし、多少ハメをはずしたっていいじゃない、と。 いくらエロゲーでも、やっぱり読み物としてもちゃんと面白い作品にしたい、という思いがどうしてもありまして。 でも僥倖だったのは、しっかりストーリー性を作品に組み込むと、エロシーンの方もよりエロくなる、ということです。 今回もさんざん知恵を絞って様々な催眠Hシーンを詰め込みましたが、いつにもましてエロい! おくとぱすさんがノりにノって書いた、渾身のHシーンの連続です。 ストーリー性が強い作品と聞いて、なんだエロは二の次か、と思ったそこのあなた。 油断してると「もうらめぇ」という事態になりますのでご注意くださいませ。 かくして、制作が始まった操心術外伝なのですが、しかしここからが長かった。 内的外的いろいろな要因があいまって、結局操心術∞よりも後になり、それどころか3年もたってしまいました。 この間何をしていたのかというと、決して遊んでいたわけではないのです。 細々と進行してはいたのですが、どうにも進みが出ない。 特にシナリオのおくとぱすさんにおいては、キャラに対する思い入れや作品愛が強すぎて、いつもの倍の時間がかかる始末。 絵の方も、相川さんにすばらしく色っぽい春生をデザインしていただいて、原画だの塗りだのにこれまでの倍以上の手間がかかる事態に。 というわけで操心術外伝は、総合的に普段の3倍くらいの手間がかかっているのです。 とはいえ、遅れたいいわけにはならないんですけどね。 ゴメンナサイ……。 かくして、あれもこれもで相当詰め込んだ作品と相成りました。 皆様におかれましては、じっくりとご堪能いただける作りとなっております。 是非是非ご期待ください! |